ブログ

歯の亀裂治療とは?症状・原因・治療法を解説

歯の亀裂は、いつ起こるか予測できない、突然の出来事です。
些細な違和感から、激しい痛みを伴う事態に発展することもあります。
放置すれば、歯を失う可能性も。
この不安な状況の中、最適な治療法を選び取ることは容易ではありません。
今回は、歯の亀裂の種類、症状、原因、そして治療法について、それぞれのメリット・デメリット、費用、治療期間といった情報を詳しく見ていきます。

歯の亀裂の種類と症状

歯冠破折の特徴

歯冠破折は、歯の表面部分である歯冠に亀裂が入る状態です。
神経のある歯では、初期症状として冷たいものがしみる、噛むと痛むといった症状が現れます。
症状が進むと、何もしなくてもズキズキとした痛みを感じることもあります。
神経のない歯の場合は、亀裂部から細菌が侵入し、歯茎が腫れたり、膿が出たりする可能性があります。
また、噛む際に違和感を感じることもあります。

歯根破折の特徴

歯根破折は、歯の根の部分である歯根に亀裂が入る状態です。
歯冠破折と同様に、神経のある歯では痛みやしみることがあります。
神経のない歯では、歯根の亀裂から細菌が侵入し、歯茎の腫れや膿の排出などの症状が現れる可能性があります。
痛みは、歯冠破折に比べて自覚症状が少なく、発見が遅れるケースも多いです。

痛みや腫れの症状

歯の亀裂による痛みは、亀裂の深さや位置、神経の有無によって大きく異なります。
初期段階では、冷たいものや熱いものがしみる程度の軽い痛みから始まり、次第に噛むと痛む、何もしなくても痛むといった強い痛みへと変化する可能性があります。
歯茎の腫れは、亀裂部から細菌が侵入し、感染を起こした場合に発生します。
腫れと同時に、膿が排出されることもあります。

違和感や自覚症状

痛みや腫れがない場合でも、歯に亀裂が入っていると、噛む際に違和感を感じる場合があります。
また、歯が欠けたように感じる、または歯がグラグラするといった自覚症状が現れることもあります。
これらの症状は、軽微な亀裂の場合でも起こりうるため、注意が必要です。

歯の亀裂の治療法

接着保存治療のメリット

接着保存治療は、亀裂の入った歯を削らずに、特殊な接着剤を用いて修復する方法です。
歯の健康な部分をできるだけ残せるため、歯の寿命を長く保つことができます。
また、治療期間が短く、費用も比較的安価です。
審美性も高く、自然な仕上がりを目指せます。

接着保存治療のデメリット

接着保存治療は、全ての歯の亀裂に対応できるわけではありません。
亀裂が深く、感染している場合や、歯質が大きく損傷している場合は、接着保存治療が不可能な場合があります。
また、接着が剥がれてしまうリスクもあります。
治療後の経過観察が必要となる場合もあります。

接着保存治療の費用と期間

接着保存治療の費用は、亀裂の程度や使用する材料によって異なりますが、数万円から十数万円程度が相場です。
治療期間は、通常1回から数回の通院で完了します。

抜歯後の治療法

歯の亀裂がひどく、保存が不可能な場合は、抜歯が必要となることがあります。
抜歯後の治療法としては、ブリッジ、インプラント、入れ歯などがあります。
それぞれの治療法には、メリット・デメリット、費用、治療期間が異なるため、状況に合わせて最適な治療法を選択する必要があります。

ブリッジ治療のメリット

ブリッジは、失われた歯の両隣の歯を支台として、人工の歯を橋のようにつなげる治療法です。
自然な見た目で、噛み合わせも良好に回復させることができます。

ブリッジ治療のデメリット

ブリッジ治療では、支台となる歯を削る必要があります。
また、支台歯に負担がかかるため、歯周病のリスクが高まる可能性があります。
治療期間は、数ヶ月かかる場合もあります。

ブリッジ治療の費用と期間

ブリッジ治療の費用は、使用する材料や歯の本数によって異なりますが、数十万円から数百万円程度かかります。
治療期間は、型取り、仮歯の装着、本物の歯の装着など、数ヶ月かかることが一般的です。

インプラント治療のメリット

インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。
自然な噛み合わせと見た目を実現し、隣接する歯への負担が少ないのが特徴です。

インプラント治療のデメリット

インプラント治療は、手術が必要なため、身体への負担が大きくなる可能性があります。
また、費用が高額で、治療期間も長くなります。
骨の量が少ない場合、骨造成が必要となるケースもあります。

インプラント治療の費用と期間

インプラント治療の費用は、使用するインプラントの種類や手術の難易度によって異なりますが、数十万円から数百万円程度かかります。
治療期間は、数ヶ月から一年以上かかる場合もあります。

歯の亀裂の原因と治療選択

歯ぎしりが原因の場合

歯ぎしりや食いしばりは、歯に大きな負担をかけ、亀裂の原因となります。
マウスピースの装着などによって、歯への負担を軽減することが重要です。
治療法の選択においては、歯ぎしりを改善するための対策を同時に行う必要があります。

外傷が原因の場合

転倒や交通事故などによる外傷は、歯の亀裂を引き起こす大きな原因となります。
外傷による亀裂は、程度が深刻な場合が多く、抜歯が必要になる可能性も高くなります。
治療法の選択は、亀裂の程度と歯の状態を総合的に判断して決定します。

過去の治療が原因の場合

過去の虫歯治療や根管治療などで、歯質が弱くなっている場合、小さな力でも亀裂が発生しやすくなります。
治療法の選択においては、歯の残存歯質の量と質を考慮する必要があります。

最適な治療法の選び方

最適な治療法は、亀裂の程度、位置、歯の健康状態、希望などを総合的に考慮して決定されます。
歯科医師と十分に相談し、最適な治療法を選びましょう。

まとめ

歯の亀裂は、放置すると歯を失う可能性もある深刻な問題です。
症状が現れたら、すぐに歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
治療法は、接着保存治療、抜歯後の治療(ブリッジ、インプラントなど)があり、それぞれのメリット・デメリット、費用、期間などを考慮して、歯科医師と相談の上、最適な治療法を選択する必要があります。
原因となる歯ぎしりや食いしばりなどの癖についても、改善策を検討することが大切です。
早期発見、早期治療が、歯の寿命を長く保つ鍵となります。