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歯の根にヒビが入ったら?症状と適切な対処法

歯の痛み、しみる…もしかしたら、歯の根にヒビが入っているかもしれません。
歯の根のヒビは、初期症状が分かりにくく、気づかないうちに悪化してしまうことも。
放置すると、抜歯せざるを得ない事態になることも。
この症状、一体何が原因で、どうすればいいのか不安ですよね。
今回は、歯の根のヒビの症状、原因、そして対処法についてご紹介します。

歯の根にヒビの症状

痛みと種類

歯の根にヒビが入ると、様々な痛みが生じます。
初期症状では、冷たいアイスクリームや熱いコーヒーを飲んだ時にしみる程度の軽い痛みや、硬いパンをかんだ時にズキッと痛むといった症状が現れることも。
神経のある歯では、初期症状として歯がしみる、噛むとズキッと痛むといった症状が現れ、症状が進むと何もしなくてもズキズキと脈打つような痛みに変わることがあります。
これは、ヒビによって歯髄(歯の神経)が炎症を起こしているためです。
神経のない歯の場合は、破折部から細菌が入り込み、歯肉が腫れたり、膿が出たり、噛むと違和感を感じたりする可能性があります。
具体的には、歯茎が赤く腫れ上がり、触ると熱を持ったり、膿が白いプツツとして出てきたりします。
痛みの種類や程度は、ヒビの大きさや位置、神経の有無、ヒビの入り方(縦方向、横方向など)によって大きく異なります。
例えば、歯の根の先端部にヒビが入った場合と、歯の根の中央部にヒビが入った場合では、痛み方が異なります。
また、ヒビが小さく、神経に達していない場合は、痛みを感じないこともあります。

歯がしみる症状

歯がしみるのは、歯の根のヒビの代表的な症状の一つです。
冷たいものだけでなく、熱いもの、甘いもの、酸っぱいもの、さらには、温度変化の刺激(例えば、冷たいものを食べた後に熱いものを食べた時など)でもしみることがあります。
これは、ヒビによって歯の内部の象牙質が露出したり、歯髄(神経)が刺激されたりするためです。
しみる程度は様々で、一瞬だけしみる場合もあれば、数秒間、数分間、あるいは持続的にしみる場合もあります。
例えば、冷たい水を口に含んだ時に一瞬だけしみる場合は軽微なヒビの可能性がありますが、冷たいものに触れただけで激しく、長くしみる場合は、より深刻な状態である可能性があります。

腫れと違和感

症状が進行すると、歯茎が腫れたり、出血したり、膿が出ることがあります。
これは、ヒビから細菌が侵入し、感染を起こしているためです。
具体的には、歯茎が赤く腫れ上がり、触ると痛みを伴い、場合によっては腫れが頬まで広がることもあります。
また、歯に違和感を感じたり、噛み合わせが悪くなったりすることもあります。
例えば、特定の歯で噛むと違和感があったり、噛み合わせがずれて顎が痛くなったり、歯がぐらつくようになったり、噛む力が弱くなったりするケースも。
これらの症状は、深刻な状態を示している可能性があり、放置すると歯の喪失につながるため、早急に歯科医院を受診する必要があります。
特に、膿が出ている場合は、感染症の進行が危惧されます。

歯の根にヒビの原因

外傷によるヒビ

交通事故やスポーツ中のケガ、転倒などによる強い衝撃が、歯の根にヒビを入れる原因となります。
例えば、バスケットボールの試合中に転倒して顎を強打したり、自転車で転倒して歯に直接衝撃を受けたりといったケースです。
激しい痛みを伴うことが多く、すぐに歯科医院を受診する必要があります。
また、外傷によるヒビは、目に見える歯の破折だけでなく、歯の根の内部に隠れたヒビが入っている場合もあります。
そのため、外傷を受けた場合は、痛みや腫れがなくても、念のため歯科医院でレントゲン撮影を受けることをお勧めします。

歯ぎしりによるヒビ

歯ぎしりや食いしばりは、睡眠中やストレスを感じている時に無意識に行われることが多いです。
これらの癖によって歯にかかる負担が大きくなり、長年かけて歯の根に微細なヒビが入ることがあります。
特に、夜間の歯ぎしりは、本人が自覚しにくいことが多いです。
歯ぎしりによる歯の摩耗やヒビは、徐々に進行するため、気づかないうちに症状が悪化している可能性があります。
歯ぎしりや食いしばりが原因と考えられる場合は、マウスピースの作成や、ストレス軽減のための対策を検討する必要があります。

虫歯が原因のヒビ

虫歯によって歯が弱くなると、歯の根にヒビが入るリスクが高まります。
虫歯は、歯質を破壊し、歯の強度を低下させるためです。
特に、大きな虫歯や、神経を取った歯(歯根治療後の歯)は、破折しやすい傾向があります。
神経を取った歯は、歯の内部が空洞化しているため、強度が低下しており、わずかな力でもヒビが入る可能性があります。
また、虫歯が進行して歯冠が大きく失われた場合、歯の強度が低下し、噛む力が歯の根に集中しやすくなり、ヒビが入るリスクが高まります。

歯の根にヒビの対処法

早期発見の重要性

歯の根のヒビは、初期症状が分かりにくい場合が多いです。
しかし、早期発見・早期治療を行うことで、歯の保存率を高めることができます。
定期的な歯科検診を受けることで、早期発見につながります。
レントゲン撮影などの精密検査で早期に発見できれば、抜歯せずに済む可能性が高まります。
また、初期症状では痛みや違和感が軽微なため、放置しがちですが、放置すると症状が悪化し、治療が複雑化したり、費用が高額になったりする可能性があります。

歯科医院への受診

歯の根にヒビが疑われる症状が現れたら、すぐに歯科医院を受診しましょう。
痛みやしみ、腫れ、違和感など、少しでも気になる症状があれば、放置せずに相談することが大切です。
レントゲン撮影などを通して、的確な診断を受けましょう。
特に、強い痛みや腫れを伴う場合は、緊急で受診する必要があります。
歯科医師は、症状を詳しく聞き取り、必要に応じてレントゲン撮影やCTスキャンなどの検査を行い、ヒビの有無や程度を診断します。

保存治療の可能性

ヒビの程度が軽微であれば、保存治療が可能な場合があります。
保存治療には、歯の表面を修復する処置(コンポジットレジン充填など)や、ヒビを接着剤で固定する処置(ファイバーポストなど)、歯冠修復(クラウン)などがあります。
マイクロスコープやCTなどの精密機器を用いて、丁寧に治療が行われます。
保存治療の成功率は、ヒビの大きさや位置、患者の全身状態などによって異なります。

放置のリスク

歯の根のヒビを放置すると、細菌感染を起こし、歯槽膿漏が悪化したり、歯の根元の骨が溶けたりする可能性があります。
ひびが大きくなると、歯が抜けてしまうこともあります。
また、放置することで、治療が複雑化し、治療期間が長引いたり、治療費が高額になる可能性もあります。
最悪の場合、顎の骨にまで感染が及ぶ骨髄炎という深刻な状態になる可能性も。
骨髄炎になると、入院治療が必要になるケースもあります。

まとめ

歯の根のヒビは、初期症状が軽微なため見過ごされがちですが、放置すると深刻な事態を招く可能性があります。
痛みやしみ、腫れなどの症状を感じたら、すぐに歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
早期発見・早期治療によって、歯の保存の可能性が高まり、抜歯を回避できるケースも。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、マウスピースの使用など、予防策を検討しましょう。
日頃から丁寧な歯磨きと定期的な歯科検診を心がけ、健康な歯を維持しましょう。
定期検診では、レントゲン撮影で歯の根の状態を確認し、早期に問題を発見することができます。