
歯列矯正を始めると、顔つきが変わるという話を耳にするかもしれません。
鏡を見るたびに、自分の顔の変化に気づき、喜びや不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
矯正治療は歯並びだけでなく、顔の印象にも影響を与える可能性があるため、治療期間中は特に変化に敏感になるものです。
一体いつから変化を感じ始めるのか、どのようなメカニズムで顔は変わるのか、疑問を抱えている方も多いはずです。
そこで今回は、歯列矯正による顔の変化について、具体的な時期やそのメカニズムを説明します。
矯正開始から顔の変化を実感できる時期
矯正開始直後の変化
矯正治療を開始した直後は、装置の装着による違和感や痛み、口元の圧迫感などが主な変化です。
顔そのものの変化はまだほとんど感じられないことが多いでしょう。
しかし、装置に慣れるにつれて、口元の筋肉の使い方や表情が変化し始める場合があります。
数ヶ月後の変化
数ヶ月後には、歯が少しずつ動き始め、それに伴って口元の形に変化が見られるようになります。
例えば、出っ歯の方は前歯が後退し始め、受け口の方は下顎の位置が変化し始めるなど、個人差はありますが、少しずつ変化を実感できるでしょう。
1年後の変化
1年後には、歯の移動がより顕著になり、口元の変化もはっきりとしてきます。
Eライン(鼻の先と顎の先を結んだ線)に沿った口元のバランスが整い始め、横顔の印象が変化するケースも少なくありません。
2年後の変化
治療期間が2年を経過すると、歯並びがかなり整ってきます。
それに伴い、顔の輪郭やバランスがより自然で美しい状態に近づき、以前とは明らかに異なる顔立ちになっていることを実感できるでしょう。
治療完了後の変化
治療が完了すると、歯並びが完全に整い、口元の形やバランスが安定します。
矯正前と比較して、顔の印象が大きく変化していることに気づくでしょう。
ただし、変化の程度は個人差が大きく、骨格の変化が大きかった場合はより顕著な変化が見られます。

顔の変化メカニズムと科学的根拠
骨格の変化と顔への影響
成長期の矯正治療では、顎の骨格そのものの成長にも影響を与える可能性があります。
顎の位置や形が変化することで、顔全体のバランスや輪郭が変化します。
大人になってからの矯正では、歯の移動による影響が大きくなります。
歯の位置と顔貌の関係
歯の位置は顔の見た目(顔貌)に大きな影響を与えます。
歯が前に出ている、または後ろに引っ込んでいる、あるいはガタガタしているなど、歯並びの状態によって口元や顔全体の印象が大きく変わります。
矯正治療によって歯の位置が理想的な状態に改善されることで、顔貌も自然で美しい状態に近づきます。
筋肉への影響とフェイスライン
歯並びや噛み合わせが悪いと、顔の筋肉に歪みが生じ、顔の左右のバランスが崩れることがあります。
矯正治療によって噛み合わせが改善されると、顔の筋肉の緊張が和らぎ、フェイスラインがすっきりとした印象になります。
Eラインと顔のバランス
Eラインは、鼻の先と顎の先を結んだ線で、美しい横顔の目安とされています。
歯並びや顎の位置によってEラインとの関係が変化し、口元がEラインに近づくことで、よりバランスのとれた美しい横顔になります。
矯正中の顔の変化に関する研究
歯列矯正による顔の変化に関する研究は数多く行われています。
これらの研究では、歯の移動や顎の位置の変化が顔貌に与える影響、そしてそのメカニズムについて詳細に分析されています。
これらの研究結果に基づいて、より科学的な根拠に基づいた治療計画が立てられています。

まとめ
歯列矯正による顔の変化は、矯正開始から数ヶ月後から徐々に感じ始め、1年後にはより顕著になります。
治療完了後には、歯並びの改善だけでなく、顔の輪郭やバランス、口元の印象が大きく変化していることに気づくでしょう。
これらの変化は、歯の移動、顎の骨格の変化、顔の筋肉への影響など、複数の要因が複雑に絡み合って生じます。
個人差はありますが、多くの場合、より自然で美しい顔立ちへと変化していくことが期待できます。
ただし、必ずしも全員が同じように変化するとは限らないことを理解しておくことが大切です。